GBE 2015 終演!

Photo: © Ayaco Nakamura 2015

Photo: © 2015 Ayaco NAKAMURA

夏から放りっぱなしだったこのブログですが、GBEの存在が続く限り、こちらも細々と維持しようと思います。

とりあえずはお礼と挨拶まで。参加してくださった音楽家の皆さんにはとにかく感謝です。月並みな言い方ですが、皆さんがいなくては始まりませんでした。楽しく一緒にバッハが出来て本当に嬉しかったです。私のいたらない指揮や、思い起こすと恥ずかしい言動の連続にも我慢してくださり、本当にありがとうございました。

もしご来場くださった方がこれをお読みでしたら、ご来場本当にありがとうございました。演奏や音楽体験は聴衆の皆さんとシェア出来てはじめて成り立ちます。少しでも演奏者側の感じていたバッハ的幸福感が皆さんに届いていましたら幸いです。

さて、次はいつ、どのバッハをやろうかな。

大槻

P.S. アンコールはロ短調ミサ曲BWV 232より、最終曲 Dona nobis pacemでした。

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OLC・CLC演奏会配布用速報チラシ

この週末しか配布しない、特別バージョンの簡易チラシのイメージが届いたので、皆さんとシェアします。

OLC用特報チラシ

OLC用特報チラシ

もうそろそろOLCの第35回定期演奏会!

私が敬愛してやまない鈴木秀美先生主宰のオーケストラ・リベラ・クラシカ(OLC)の定期演奏会がこの土曜日に上野学園石橋メモリアルホールで開催されます。東京近辺でお時間がある方が羨ましい…。私も日本に逆留学していた際は、OLCのコンサートがとても楽しみでした。その当時は浜離宮朝日ホールでの開催でしたね。もう10年以上も前の事です。

OLC、そしてデビューがまだ記憶に新しいコーロ・リベロ・クラシコ(CLC)。11月に一緒にGBEでバッハを演る仲間達が数名、今週末のOLC/CLCコンサートに参加しております。そういう仲間とバッハが出来るなんてなんて幸せなのでしょう…!

鈴木秀美先生については数年前に私個人のブログに書いたことがあります(英語のみ)。それでも書き切れないほどのインスピレーションを会う度に頂くので、先生の芸術を広め残す何らかのお手伝いが出来たらと思いますが…米東海岸から一体何が出来るのでしょう!

大槻

古楽的演奏のルール?

米国ヴァーモント州の緑の丘の上、マルボロ・カレッジのキャンパスで開催されるマルボロ音楽祭。そこでバッハグループのコーチングを始めてから、ハイレベルのモダンの奏者の皆さんを相手にしたレクチャーやマスタークラスをする機会が増えました。昨年の国際セジョン音楽祭(米国フィラデルフィア)や東京ヴィオラスペースでのバッハ特別講座がその例です。今年(2015年)の11月のGBEコンサートに参加してくださる音楽家の皆さんのほうがよほど実践的な古楽演奏の知識をお持ちで、私のような者がバッハ演奏のお手伝いをするのは甚だ恐縮なのですが、バッハに興味津々のモダン奏者の皆さんを励ましつつ一緒に音楽を作っていくのは、とても楽しくやり甲斐のある仕事です。

短い時間しか与えられないレクチャーやマスタークラスにおいて、バッハを中心としたハイ・バロックの音楽の奏法を語る時、それはどうしてもルールの様に語ってしまいがちになります。私も実際、古楽ではヴィブラートは装飾にしか使わないんだよ、とか、ドミナントの和声はトニックの和声より大きく有るべきなんだよ、等という説明をよく耳にします。でも我々は、実際にはそうしなければいけないからするのではなく、音楽的にそうしたいからする、というのが正しいところです。

美学、というと大袈裟になってしまいますが、何を良いと思うかは、知識やセンティメントに左右されます。対して美味しくない物でも、素晴らしい景色を見ながら食べると美味しく感じますし、幼少の折に食べた駄菓子の味を好もしく覚えていらっしゃる方も少なくないでしょう。かあちゃんの味が一番、というのもそうですね。Pixarの映画『レミーのおいしいレストラン』[原題:Ratatouille]でも、高級フランス料理店には登場することのない、本来は農民料理であるラタトゥイユをレストランで出して、ある登場人物を感傷的にさせていました。知識や経験、そして感情は、我々の主観をとても大きく左右してしまうのです。

古楽を学び始めると、避けて通れないのが、当時の理論書や教則本、そして演奏習慣についての新しい文献の読書です。また古楽器演奏の録音も多く聴く事になるでしょう。経験豊富な古楽器奏者の著書もとても参考になります。その知識を得るプロセスは、丁度、以前まで親しめなかった味覚を良いと感じるようになる、いわば『大人の味』(英語で言うところのacquired taste)を得るプロセスと似ています。良さが分からなかったのが、分かってくる。そして、自分からその味を所望するようになる。すると、調味料が付きすぎるのを極力避けたり、素材の味そのものを大事にしたりするようになってくるわけです。

ヴィブラートはケチャップの様。飽きる味や脂っこい物には効果的でしょうが、素材の味がよければあまりつけたくありませんよね。つけてはいけないからつけないのではなく、つけない方が美味しいからつけないわけです。またその逆に、つけた方が良いと判断すればもちろんつける!ルールは本当はルールなのではなく、自分が後に得た知識や経験から来る、演奏のその場その場の選択の方向性なのです。

大槻

何故『GBE』というグループ名にこだわるのか

本家・東京ベースのガムット・バッハ・アンサンブル。そして分家・フィラデルフィアベースのGamut Bach Ensemble。メンバーの共通項は私の参加のみで他に無いのに、なぜ別々の名称にしないのか。良く聞かれます。

いずれフィラデルフィアの方でも古楽器を使ったバッハの演奏をしたい、そして本家のメンバーを少しずつでもフィラデルフィアに呼んで、本家と分家の交流を計りたい、という希望が根底にあるから、というのは事実です。私のバッハの師である鈴木雅明氏主宰のバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)も、ヨーロッパでの公演などでは現地のプレイヤーを多く採用して、日本のBCJとは一線を画する様子になることがあります。もちろん日本のコアプレイヤーも参加しているわけですが…。いずれか日本とアメリカ両方のGBEメンバーによる演奏会を企画したいものです。

ですが本当の理由は…実はグループ名のイニシャル『GBE』にあります。ゲマトリアでバッハ(BACH)は14、そしてGBEも14なのです。

B(2) + A(1) + C(3) + H(8) = 14 = G(7) + B(2) + E(5)

BCJも14になるのは有名な話ですね。でも他に14になる良い名称が見つからない限り、私はGBEを使い続けてしまいそうです。

大槻

Gamut Bach Ensemble in the US

GBE in Bloomington

Gamut Bach Ensemble in Bloomington, Indiana (2006)

『ガムット・バッハ・アンサンブル』というグループ名で2005年に第1回目のコンサートをさせて頂いて以来、このアンサンブル名は私に付いてまわっています。本家はあくまでも東京ベースの、十年来の古楽仲間・諸先輩方の肩を借りてやるグループ。ですが実はこの名称で、インディアナ州ブルーミントンで2度ほど演奏会をやっています。その後、現在私が生活するここ米国ペンシルベニア州フィラデルフィアでもGamut Bach Ensembleがスタートいたしました。

幸いな事に、私は毎年、夏期はヴァーモント州マルボロで開催されるマルボロ音楽祭での仕事をさせて頂いています。データベース用スクリプト書き、楽譜の多種エディションやその校訂方法の違い等の知識が重宝されて、ミュージック・ライブラリアンとしての仕事を既に10年以上してきましたが、近年は芸術監督の内田光子さんのリクエストにより、バッハのカンタータグループのコーチをさせて頂いています。非公式なカンタータの譜読み会等もいろいろ催してきました。その中で、たまに様式感にとても敏感で、音楽性が共感出来る仲間達との出会いがあります。皆モダンの奏者達ですが、そんな仲間達との、愛にあふれ且つ様式的にもバッハから逸脱しない演奏をするグループがGamut Bach Ensembleのアメリカ分家です。

次の本家コンサートが今年2015年の11月15日、分家コンサートがフィラデルフィアにて12月16日にあります。一月離れで二つの全く別な、しかし両方とも素晴らしい仲間達とバッハ・コンサート作りが出来るというのは何という幸せでしょう…!

大槻

GBE in Philadelphia

Gamut Bach Ensemble in Philadelphia PA (2014)

ガムット・バッハ・アンサンブル再始動!

皆様、ようこそ、そしてこんにちは。

我々ガムット・バッハ・アンサンブルが再始動いたしました。唯々バッハの声楽曲が演りたくて、そしてその喜びを演奏する仲間そして聴衆の皆さんと共有したくて、2005年に新大久保の教会で最初のコンサートをさせて頂いてからもう十年。今でもその趣旨は変わっていません。また日本で、そして世界の古楽界を牽引するスペシャリストの皆さんとまたバッハが出来る事に、とてもわくわくしています。このブログでは、2015年11月のプロジェクトまでの歩みやプロセス、そしてバッハや古楽に関するエッセイ等を書いてみようと思っています。

皆様、宜しくお願いいたします。

大槻